誠-巡る時、幕末の鐘-
―――花畑
「みてみて〜!!たまきとみつけたの!!」
奏は珠樹に頬を寄せて言った。
「あ、木に花が咲いてるぜ?」
鈴が花畑の側にある木を見て言った。
「どこどこ?」
「木に桃色の花が咲いてるだろ?」
奏達だけで来た時は花畑だけに目がいって、木に咲く花には気がつかなかった。
「ほら、来いよ。肩車してやるから」
「うん!!」
奏は見たことのない目線に行けるとあってご機嫌だ。
「鈴、落とすなよ」
「分かってる。心配いらないって」
奏は鈴に肩車をしてもらい、花を五個摘んだ。