誠-巡る時、幕末の鐘-

忘却のかなたへ




―――翌日




「たまき〜?たまき〜?」




起きた奏が隣で寝ているはずの珠樹の姿を探していた。


誰に聞いても分からない珠樹の場所。


奏は涙をこらえることができなかった。




「た、たま、き〜?どこ〜?」




屋敷の者は、昨夜のうちにこの事を当主から聞いていたので、教えたいのを必死でこらえていた。




しばらくすると奏の声が聞こえなくなり、屋敷中の者が狼狽えた。



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