誠-巡る時、幕末の鐘-
勘って当たらなくていい時に当たるよね
◇ ◇ ◇ ◇
星鈴達が連れて行かれたのは、とある民家だった。
庭から家の中に向かって青年が声をかけようとした時。
「遅ぇぞ! 総司ぃっ!」
その部屋の障子が突然開き、般若のごとく怒り狂った男が青年に向かって叫んだ。
「また寄り道してきやがったな!?」
近隣中に聞かせるつもりかと思うくらい声が大きい。
かなり頭にきているのだろう。
しかし、青年は全く動じず、どこ吹く風状態だ。
「嫌だな。僕はきちんと仕事をしてきましたよ。攘夷志士も捕縛してきたでしょ?」
……そう言いだす始末である。
「とりあえず上がったら?」
星鈴は渋々、響は大人しく青年の後に従った。