誠-巡る時、幕末の鐘-
―――雷焔家
「……え?兄様…これ…」
今、奏の目の前には信じられない光景が広がっていた。
家の多くが燃え、逃げ惑う者が大勢いた。
「……嘘…兄様!!父様達を探さなきゃ!!」
そう言い、屋敷に入ろうとした奏を彼方はとめた。
「奏は危ないからここで待ってて。いい?」
「……早く帰ってきてね?みんなも一緒に」
心配そうに言う奏を安全な場所へ連れていき、彼方は一人屋敷へ入っていった。