誠-巡る時、幕末の鐘-
「寝たか?」
「らしいな。泣き疲れたんだろう。まだ小さいしな」
「でもよ、何も里全部をつぶすことないよな」
「知らん。あいつの考えていることはたまに分からんからな」
「珠樹も養子に出して、雷焔当主夫妻も殺して…全く何考えてるんだか…………彼方は」
その瞬間、奏が暴れだし、鈴から飛び降りた。
「どうした?」
「……ねぇ、今の話。…嘘でしょ?」
二人は冷静に奏を見ていたが、内心奏が起きていたことに失態を感じていた。
「ねぇ?彼方兄様が殺したなんて嘘よね?」
二人は聞かれていたならと、首を横に振った。