誠-巡る時、幕末の鐘-
「兄様…。兄様…。本当は奏を置いていったの?後から行くって言ったのに」
その時、一組の男女がやってきた。
奏は旺輝と輝耀だと思って駆け寄ろうとしたが違った。
「あなたが雷焔奏ちゃん?私は天宮沙凪(アマミヤ サナ)よ。あなたの大事な人達からあなたのことを頼まれたの」
「僕は天宮紫苑(アマミヤ シオン)だよ。さぁ、おいで。君の両親にね、頼まれたんだ」
「父様と母様に?」
「そうよ。他の人達も、見つかったら会いに来れるわ」
奏は頭を撫でてくれる紫苑の手に、この人達は大丈夫だと感じ、抱いている沙凪の胸に寄りかかった。