誠-巡る時、幕末の鐘-
みんな意外な特技がある
―――大広間
「はい、はい、はい」
奏は次々に料理を膳の上に置いていく。
何故か山崎が手伝っていた。
「はいは〜い。みなさん食事の用意が出来ましたよ!!」
「一番乗りだぜぃ!!」
「よっ、待ってました!!」
順番に永倉、原田、藤堂、後からぞろぞろと広間に入ってきた。
みんな目を丸くしている。
とても奏が作ったようには見えなかったからだ。
目の前には、高級料亭で出されるような膳が置いてある。
「うは〜すげ〜!!」
「これ奏が作ったのか?」
「もちろん」
永倉、原田、藤堂は目を輝かせている。
「さぁ、召し上がれ」
『いっただきます!!』
奏が促すと、我先にと食べ始めた。
「鯛うっめ〜!!」
「粉ふきいもも美味しいですね」
「人参は?」
「味噌汁の中に入ってるよ。豚汁だから」
「豪華だな!!」
みんなどんどん箸が進んでいく。
食材もさることながら、味の方も抜群だ。