誠-巡る時、幕末の鐘-
「だが、おかしいな。……日にちがあわない」
「何のだ?」
雑鬼達は首を傾げた。
「私が寝込んだ時と、その怪しい奴等が侵入してきた日にちだ」
奏が寝込んだのが、四日前。
その怪しい奴等が侵入してきたのが一週間前。
寝込んだ間には結界も外れていたから、その間ならば分かる。
だが、それ以前に侵入していたことになる。
雑鬼達の力が弱いと言っても、普通は京から離れることはしない。
だが今回離れたということは、その怪しい奴等が相当ヤバい奴等だということだ。
奏は自らの失態に唇を噛んだ。
はた、と奏は動きを止めた。
ジッと何かを考えている。
そして、雑鬼達と同じ目線になるようにしゃがんだ。