誠-巡る時、幕末の鐘-



「僕も双子だったんだよ、紫翠とね。


まぁ仲は良かったと思うよ。


鈴も合わせて三人色んなこともやったし。


ある日、僕は里の年長者に呼ばれたんだ。


行ってみたら、父上……風戸の前当主もいてね。


何事かと思ったら、雷焔家に養子に行けと言われたんだ。


僕は驚いたよ。


風戸と雷焔は友好関係にはなかったからね。


そして年長者達に言われたんだ。


あなたは、頭が良い方だからこれが意味することが分かるでしょう、ってね。


雷焔は風戸から来た僕を優しく迎えいれてくれたよ。


そして当主交代の挨拶の時に紫翠達が来た時、僕宛てにも文があったんだ」




彼方はそこで言葉を切った。






「実行せよってね」







< 455 / 972 >

この作品をシェア

pagetop