誠-巡る時、幕末の鐘-
「僕も双子だったんだよ、紫翠とね。
まぁ仲は良かったと思うよ。
鈴も合わせて三人色んなこともやったし。
ある日、僕は里の年長者に呼ばれたんだ。
行ってみたら、父上……風戸の前当主もいてね。
何事かと思ったら、雷焔家に養子に行けと言われたんだ。
僕は驚いたよ。
風戸と雷焔は友好関係にはなかったからね。
そして年長者達に言われたんだ。
あなたは、頭が良い方だからこれが意味することが分かるでしょう、ってね。
雷焔は風戸から来た僕を優しく迎えいれてくれたよ。
そして当主交代の挨拶の時に紫翠達が来た時、僕宛てにも文があったんだ」
彼方はそこで言葉を切った。
「実行せよってね」