誠-巡る時、幕末の鐘-
その頃………
「おい、まだ着かねぇのか!?」
「貴様らに合わせてやってるんだ。無駄口を叩く暇があったら足を動かせ」
土方達と紫翠と鈴は風戸家に向かっていた。
風戸家は京の外れにある。
土方、沖田、斎藤、永倉、原田、藤堂が風戸家に行くことになった。
近藤達は土方達に奏を必ず連れ帰るように頼み、屯所で待機することになった。
幹部がほとんどいなくなると、それを聞き付けた攘夷志士が屯所を襲撃するかもしれないからだ。
「分かっているな?」
「あぁ」
「騒ぎを起こせばいいんでしょ?」
「あぁ。それも派手にな」
「奏は連れて帰るからな」
「今回は好きにしろ」
紫翠が珍しく譲った。
それというのもある条件のためだ。