誠-巡る時、幕末の鐘-
「星鈴というのか? 君の名は。綺麗な名だな。音の響きがいい」
近藤がにっこりと笑いながら言った。
本人は何の気なしに言った言葉だったのだろう。
「……っ!!!」
しかし、星鈴はその言葉に息を飲んだ。
「ど、どうしたんだ? 私は何かひどいことを言ったか?」
原因を作ったと思われる近藤はあたふたとしている。
予想だにしなかった星鈴の反応だ。
無理もないだろう。
「い、いや。そんなことねぇと思うけど」
「ねぇ、君どうしたの?」
みんな、いきなり黙りこんだ星鈴を見て、不思議そうにしている。