誠-巡る時、幕末の鐘-



ザッ




奏の刀が届く前に四対の刀が奏に当てられ、年長者達三人の前に三つの影が現れた。




「そこを動くな」


「お前達は…」




土方が体を起こし、誰が奏を止めたのかを見た。


するとそこには、いつもの着物姿ではなく、西洋風の衣を纏った元老院の者達がいた。


奏に刀を当てているのが、カミーユ、コリン、ミエ、エリオルだ。


年長者達の前に立ったのが、セレイル、レオン、そして見たことがない少年だった。




「この場は元老院が預かる。今すぐ刀を納めろ。でなくば捕縛することになる」


「奏…。お願いだからセレイルの言う通りにして」




第四課長のセレイルが重々しく言った言葉に、ミエが顔を歪めて言葉を重ねる。


ミエの顔を見て、徐々に瞳が黒曜のものに戻ってきた。




「ミエ……様…?」


『奏(ちゃん)!!』




奏はゆっくりと声をした方を振り向いた。




「……………え?」




沖田と藤堂は血を流し、土方と斎藤は血こそ流してはいないものの、苦痛に顔を歪めている。


奏は辺りを見回した。



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