誠-巡る時、幕末の鐘-
(……綺麗な名…か。よし!!)
「それで? 話はなんだ? そこの近藤さんに免じて話は聞こう」
星鈴がそう言うと、今まで心配そうにしていた近藤の顔が満面の笑みに変わった。
「おぉ、そうかそうか!! トシ!!」
「あぁ。おめぇ、ここに入れ」
土方は待ってましたと言わんばかりに即答した。
だが……。
「……畳の下に入れってか? 嫌だ。何がいるか分からないのに」
「はあっ!?」
星鈴が大真面目な顔で言ったために、土方が呆れた声を出した。
余りのことに、声も多少裏返ってしまった。
ふざけた顔で言うなら怒鳴れるものの、真面目な顔で言われたなら怒鳴れやしない。