誠-巡る時、幕末の鐘-
(……お前が畳を指差したんだろうが。
何でこっちが馬鹿みたいになってんだ)
「アッハハハハッ!!! 君、面白過ぎ!!」
「ひ〜っ!! マジで!!」
「おっまえ、よく土方さんにそんな冗談言えるな!! あ〜っ!! 腹が、腹が痛ぇ〜!!」
「お、俺もだ!! 腹の傷が!! 開きそうだ!!」
腹を抱えながら笑いころげるもの……四名。
斎藤でさえ、土方と逆を向いた。
必死で笑いを押さえているのだろう、肩が小刻みに震えている。
他の者達は土方の手前、苦笑するに留めている。
「俺がいつ冗談言った。失礼な」
『ひ〜っ!!』
さらに追い打ちをかけられて、もう涙が出そうなくらいだ。
畳はドンドンと拳で叩かれ、藤堂などは開いていた襖から隣の部屋まで転がっていった。
これはもう、軽くお祭り騒ぎだ。