誠-巡る時、幕末の鐘-
(こいつら……)
「…おまえら。そこに全員直りやがれぇっ!! 今日こそ根性叩きなおしてやるっ!!! …左之、俺が開けてやろうか!? あぁ!?」
カチャリ
ドスッ!!
原田と永倉の間に、土方の刀が刺さった。
二人の額にたらりと冷や汗が流れた。
『…ぎゃあ〜っ!!!』
「アハハハハハ!!」
永倉、藤堂、原田は土方の刀から必死に逃げ回った。
沖田は笑いながらかわしている。
斎藤は……お咎めなしだった。
(うん、日頃の行いのせいだ。絶対に)
「おい、帰るぞ。付き合ってられん」
今のうちに退散するに限る。
面倒臭いことになりそうなことこの上ない。
自分から面倒事に首を突っ込む趣味はない。