誠-巡る時、幕末の鐘-
要注意人物の言動には注意を払おう
―――道場
「君、本当すごいね」
今、沖田の相手中。
他はもう終わらせた。
もちろん圧勝。
斎藤だけは居合いの達人らしく、少々手こずった。
「これでどうかな?」
シュンッ!!
「ふん、甘い」
星鈴は身をさっと翻し、下段から上へはね上がってきた木刀をかわした。
「……へぇ。やっぱりかわせるか」
(当たり前だ。
こっちだって主を守るために必死に修行したんだからな)
「おい!! もうやめろ!! おめぇら、いつまでたっても終わりゃしねぇ」
土方がなかなか決着がつかないことに業を煮やしたらしい。
(なら、試合させんなよ。
言いだしっぺが高みの見物してるしな)