誠-巡る時、幕末の鐘-
「部屋は奏と同じで構わないし、服も風戸から持ってこなきゃね。あとは……」
「奏、一緒でいいのか?」
「うん、いいですよ」
「あ、そうだ!!みなさんにお土産があるんでした。はい、どうぞ!!」
響は荷物の中から綺麗な包みを取り出し、みんなの前に出した。
「おおっ、これ江戸銘菓って書いてあるぜ!!」
「うっめぇ!!」
「ありがとな、響」
「いいえ。いつもお世話になってるお礼です」
その言葉にみんなが視線を彷徨わせた。
「どうかしたんですか?」
「いや、響がいない間、響の大切さが身に染みて実感できたんだ」
「あぁ。いつもすまなかったな」
「え?え!!?」
奏だけならず、土方にまで頭を下げられたので、二人を交互に見て、困惑している。
「響、実は……勝手場がすごい状態に……その、悪いんだけど」
奏が言いにくそうに切り出すと、響も気になったのか、勝手場の方へ走っていった。
だが、すぐに顔を青くして帰ってきた。