誠-巡る時、幕末の鐘-
「嫌ですよ。まだ終わってないのに。邪魔しないでください」
(……こいつ、どこまで黒いんだ。
ますます似ているぞ?
名前を出したくないあの方に!!)
「こらこら、総司。私達はいいが音無君を待たせては駄目だろう?」
近藤が沖田を嗜(タシナ)めた。
「まぁ、近藤さんがそう言うなら仕方ないですけど。また試合しようね……星鈴ちゃん?」
「……」
星鈴の体が一瞬全ての動きを停止し、頭が全ての思考を拒否した。
(………爆弾発言投下!! こんの男ぉっ!!!)
「総司、男にちゃんづけは可哀相だろう?」
(……やっぱり気付いてなかったか)
「この子、男の子じゃないですよ。ね?」
沖田は星鈴に向かって妖しげに笑った。
(今すぐその口ふさげぇっ!!!
ついでに鼻もふさいでしまえっ!!
そして私はお前が嫌いじゃぁっ!!)