誠-巡る時、幕末の鐘-



「さ〜てさてさて、みんなはどこかな?……ん?」




奏は夜にやることにした怪談大会のことを告げようとみんなのことを探していた。


前から、一人の男が歩いてきた。




「雷焔か。もう体調は良さそうだな」


「えぇ、おかげさまで。芹沢さん」




この長身の男は、壬生浪士組の筆頭局長、芹沢鴨だ。


奏は梅雨の時期に力を酷使したために、一ヶ月間布団とお友達になっていた。


その時のみんなの様子は……怖かった。




人間本気で怒ったらあんなに怖いのかぁ。


……もう山南さんは怒らせないようにしよ。




意外や意外、一番山南が怖かった。




まぁ、禁術使ったことはみんなにバレてないし、いいか。




奏はこんな風に楽観的思考だが、みんなにもう知られている。


珠樹がみんなにバラしたからだ。



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