誠-巡る時、幕末の鐘-
―――夜
「さぁ、待ちに待った怪談大会の始まりですよ〜!!」
奏はもう気分は最高潮だ。
あの後、爺や響も呼んで、人数を増やした。
「奏〜、お前一ヶ月寝込んでいたとは思えないほどの回復ぶりだな」
「全くだせ!!まっ、こういうこともあながち嫌いじゃないけどな!!」
「ん〜、平助。その割には震えてねぇか?」
「そ、そんなわけねぇだろ!!俺、怪談話大っ好きだし!!?」
「本当か〜?夜寝れなくなるぞ〜?」
「ガキ扱いすんなよ!!」
藤堂を永倉と原田がからかいだした。
藤堂の顔は真っ赤だ。
「まぁまぁまぁ。今夜は涼しくなるように怪談大会をするんだから」
奏が珍しく宥めた。
いつもならば一緒に混ざって藤堂をからかう所だろうが。
早く涼しくなりたい〜!!
というのが、今の奏の頭を占領している考えだ。