誠-巡る時、幕末の鐘-
「……終わりか??」
「うん」
「男はどうなったんだ??」
「さぁ??そこまで書いてなかったから。連れて行かれたんじゃね??」
「な〜んかしっくりこねぇよな??」
みんな口々に不満を言いだす。
藤堂はだんだん不機嫌になってきた。
「じゃあ、みんなだってとっておきのを言ってみろよ!!」
「誰がいく??」
「僕がするよ」
珠樹が名乗りを上げた。
口元には若干笑みを浮かべている。
「あれは千年前のこと…」
コンコン
珠樹が喋り始めた瞬間、襖を叩く音が聞こえた。
みんなは顔を見合せ、ハハっと笑う。
「奏、お前、みんなを誘わなかったのか??」
「…誘ったよ。飲みに行った芹沢さん達以外。今日は朝まで帰らないって」
「え…じゃあ誰だよ」
全員が周りを見渡すと、確かにみんな揃っている。
欠けている人物は芹沢達だけだ。
コンコンコン
「お、おい。どうすんだよ」
「聞こえないふりをしよう。さぁ珠樹続けて」
奏は音を無視した。