誠-巡る時、幕末の鐘-



コンコン




「どう考えても叩いてるだろ!!」


「うるさい、新八さん!!こっちもとまどってるの!!これ幽霊の気配なんかじゃないよ!!」


『………は??』




奏はゆっくりとみんなの方を向いた。




「衝撃発言してもいい??」


「……何だ??」




土方が唾を飲み込み尋ねた。




「私……得体の知れないもの無理!!!」


「嘘だろ!!?」


「マジかよ!!」


「ちょっとそこどいて」




ガラッ




珠樹が無表情で襖を開けた。




「珠樹ぃーっ!?何してくれちゃってんのーっ!?」


「奏、落ち着きなよ。紫翠に鈴じゃん」




そこには風戸の長と側近の姿があった。




「何だ??お前達みんなその顔は」


「何かあったのか??」




みんなは引きつっていた顔を怒りの顔に一瞬で変えた。




『お前らのせいだろうが!!』




紫翠も鈴も、その言葉の意味が分からないという風に哀れむ視線を向けている。




「あれ??あなた達の気配だったら分かるのにな??」




奏は一人、首を傾げていた。




「あぁ、そういえば…」




紫翠が後ろにいた何かを前に押し出した。



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