誠-巡る時、幕末の鐘-
「お前、人に危害をくわえたりしないよな??」
藤堂が恐る恐る聞いた。
「まさか。そんなこと出来ないよ」
「そっか、ただの子供と同じか!!」
「なら安心だぜ」
みんなも千早に悪意がないことが分かると警戒を解いた。
なんてことはない。
遊びにくる栄太と変わらない。
生きてるか、死んでるかの違いで。
そこが一番問題だろうが、もうみんなは気にしない。
奏がいると、こんなことは日常茶飯事だ。
さっきのは不意をつかれただけにすぎない。
すぐに千早とも仲良くなった。
「まさかお前達、幽霊が怖かったのかぁ??」
鈴が意地の悪い笑みを浮かべ、永倉の隣に座り込み、肘でこづいた。
「違ぇし!!」
「ちょっと驚いただけに決まってるだろ!!」
「そうだそうだ!!」
「本当かぁ〜??」
二ヶ月前までは睨みあっていたのに、もう仲良しこよしだ。
「やはり所詮は人間か」
「んだと、てめぇ」
紫翠と土方は相変わらずだが。
どうも水と油らしい。
そういえば爺と土方の仲も良いとは言えない。