誠-巡る時、幕末の鐘-
「響、響。もう大丈夫だから起きなさい」
「う〜ん」
爺が気絶したままの響の頬を軽く叩いて覚醒させる。
響の母親譲りの漆黒の瞳が開かれた。
「この子は一体??」
「この子は千早。成仏できるようになるまでここにいさせて欲しいんだって」
「お姉さん、さっきは飛び付いてごめんなさい。許してくれる??僕一人ぼっちは嫌なんだ」
うるうるとした瞳つきで、子供特有の声音で発せられる言葉に、対抗することができるか、いや、できない。
少なくとも、人がいい響には無理だった。
「私こそ、いきなり気絶してごめんね!!」
響は千早をしっかりと抱きしめた。
「ねぇ、奏ちゃん。どうして千早は僕達に見えるの??」
「そもそも、本当に幽霊なのか??」
沖田と土方が奏に疑問を投げかけた。