誠-巡る時、幕末の鐘-
―――屯所
「ただいま〜」
「奏!!どこ行ってたんだ?」
藤堂が道場から出てきた。
「ん〜?哀れな男の人生相談を聞いてきた」
「あ、哀れな男の人生相談?お、お疲れ」
藤堂は訳が分からないながらも、奏に労いの言葉をかけた。
今の説明で分かる人はいない、絶対に。
「明日、特大の知らせが入るぞ」
「特大の知らせ?」
「あぁ。まぁ楽しみにしててよ」
奏は珠樹が待つ部屋に戻っていった。
藤堂はますます分からない奏の言葉に、
「暑さでやられたのか?」
見当違いをしていた。