誠-巡る時、幕末の鐘-
「ただいま、珠樹」
「お帰り。何か掴めた?」
珠樹は書類を書き終え、昼寝に入ろうとしていたらしい。
目を眠そうにこすっている。
「明日、長州側の公家が京都を離れるかもしれない」
「ふ〜ん。どこ行ってたの?」
余り興味がわかないのか、また畳にゴロリとなった。
「哀れな男の身の上相談」
「………天皇の所か」
珠樹は情報が極端に少ないにも関わらず当てた。
「おぉ〜。正解!!双子の神秘!?」
「そうだね。奏も一緒にお昼寝しようよ」
「うん、いいよ」
歴史が動こうとしている時、我関せずの鬼の双子は、仲良くお昼寝を楽しんでいた。