誠-巡る時、幕末の鐘-



―――内裏




「おいおい、土方さんよ〜。これは一体どういうことですか〜?」


「まったくだぜ!!」




今、奏達は思わぬ所で足止めを食らっている。


奏もだが、みんなとっても不機嫌だ。




「我々は壬生浪士組で!!」


「だからそのような物は知らん!!」


「ですから!!」




さっきからこの繰り返しだ。




「土方さん、こんな問答見せるために私を叩き起こして、引っ張って、連れてきた、と?」


「あーっ!!くそっ!!」




奏はわざと区切って言った。


土方も頭をかきむしらん勢いだ。




「とにかく、貴様らのような者は知らん!!帰れ」




この言葉に奏が反応した。


トコトコと近づく。


まだ縄で縛られたままだったので、土方も一緒に近づかざるを得なかった。



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