誠-巡る時、幕末の鐘-



「こっちも命令があって来てんだよ。さっさと上の奴連れてこい。貴様らでは話にならん」




みんなは額に手を当て、天を仰いだ。


土方も慌てて、縄を引っ張るがもう遅い。




「こっちは眠い中来てやったんだ。感謝されこそすれ、帰れと言われる筋合いはねぇよ。それともてめぇがここで一番偉いのか??」




眠いと言いつつ、毒舌は健在だ。




「な、なんだと!!?貴様、無礼な口をっ!!」




一触即発の空気になった時、一人の男が走ってきた。




「待て!!その者達は味方だ。通してやれ!!」


「は、はっ!!」




兵士達は道を開けた。




「ふん。最初からそう言ってただろうが。無駄な時間取らせやがって」


「おいっ!!もうやめとけ!!」




このままでは駆けつけた男にまで、毒舌を与えかねなかったので、土方は急いで奏の口を押さえた。



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