誠-巡る時、幕末の鐘-
「僕は奏が一番だよ!!」
「本当??」
「うん。奏もそうでしょ??」
珠樹はチラと沖田を見た。
またまた火花が散っている。
「うん。だって双子の兄妹だもんね」
これはこれは。
良かったのか悪かったのか判別できない答えで。
二人共ガックリと肩を落としていた。
「何??どうしたの??」
「お前なぁ」
「鈍感すぎだろ」
「はぁ??鈍感って何が??」
分からないのも奏だけ。
鈍感なのも奏だけ。
「まぁ、仲直りはできたようだし。今日の苦労をねぎらって酒を飲もう!!」
「待ってました!!近藤さん!!」
「仕事の後の一杯は美味いんだ!!」
みんな口々に色んな事を言いながら酒をついでいる。
「では、今日の功績を祝して乾杯!!」
『かんぱ〜い!!』
屯所に賑やかな声が響き、瞬く間に酒が飲まれていった。
明日はみんな二日酔いかな。
だが、奏も次々と酒を空にしていった。
こうして、長い一日が終わった。