誠-巡る時、幕末の鐘-
「何? その言葉、口癖なのか?」
「おめぇがっ! 言わせてんだろうがっ!」
土方はわざと言葉を区切って言った。
(あらあら鬼のような形相しちゃって、いい男がだいなしよ?
……なんて思ったのは気の迷いだ。
まぁ、土方は人間でいうと、ぶっちゃけいわゆる二枚目だが。
人間の容姿に興味は全くない。皮の下は皆同じ骨だしな?)
「こっちは時間がもったいないんだが?」
「……おめぇ…」
土方が恨めしそうに星鈴を見た。
「帰るぞ」
「わ、分かったから待て!!」
「それが人に物を頼む態度か」
(全く最近の若い奴は……)
星鈴は鼻で笑い、冷たい視線を土方に浴びせかけた。
「…くっ!! 待って「待って頂けないだろうか…」」
その時、土方の言葉にかぶせるように話しだした者がいた。