誠-巡る時、幕末の鐘-
「沖田さん見ませんでしたか??」
奏からのいきなりの質問に、土方も面食らった。
奏が沖田を探すことは滅多にないからだ。
「総司か??いや、見ちゃいねぇが……総司がどうかしたのか??」
「沖田さんには今ある嫌疑がかけられています」
奏の真剣な顔と声に、土方も表情を固くした。
何かしでかしたのか??
土方に嫌な汗が流れる。
意を決して聞いてみた。
「……何のだ??」
「私のお菓子を食べたかもしれないという嫌疑です」
土方は肩を震わせながら俯いた。
「……お前…外に出ろっ!!」
鬼が降臨してしまった。
奏ではなく、土方の方だ。