誠-巡る時、幕末の鐘-
「まずった!!時間がないので失礼しました〜!!」
「待てコラ!!」
土方が奏が閉めた障子を開けると、もう辺りに奏の姿はなかった。
「ちっ!!逃げ足の早い奴だ。本当に総司と似てやがる。……だがな…」
土方はニヤリと怪しく笑った。
「今回は逃がさね〜よ!!」
土方は当初の目的の、茶をつぎにいくということを綺麗さっぱり忘れていた。
代わりに頭を占めているのは、奏の性根を正すことだけだった。
あわよくば、沖田もろとも。
土方も奏を探しに部屋を出ていった。