誠-巡る時、幕末の鐘-
「あ〜、気にしないでください。もともと桜花と食べるために作ったんですよ」
近藤がかわいそうになり、真実を話した。
「そ、そうなのか??」
「はい。おいで、桜花」
「ニ〜」
奏が近藤の横に座り、桜花に手を差し伸べた。
すると、近藤の膝の上で丸まっていた桜花も、素直に奏の膝の上にやってきた。
「桜花、おいしかったか??」
「ニャ〜」
「そうか、ならよかった」
奏は桜花の首をかりかりと撫でた。
奏の顔は優しげにほころんでいる。
近藤はそれを見て、ニコニコと笑っていた。
「近藤さん、失礼しますよ」
「山南さんか。あぁ、入ってくれ」
山南が何かの包みを持って入ってきた。
「おや、雷焔君もいたんですね。丁度よかった。これ、食べますか??」
「うわぁ、おいしそう!!ぜひっ!!」
奏の大好きな甘味だったので、もう目が輝いている。
キラキラだ。