誠-巡る時、幕末の鐘-
「いや。気に障るどころかむしろ……素直に嬉しい。ありがとう。この名は主につけて頂いた大切な名なんだ」
ニコッ
そこで初めてみんなの前で笑顔を見せた。
それは作られたものではない、純粋で綺麗な笑顔だった。
『……っ///』
急に顔が赤くなった男性陣。
生き残ったのは、響と女慣れしているごく一部だけだった。
女慣れしているごく一部の方については皆さんのご想像に任せよう。
そして、星鈴はそれを知らない。
(何だ?響。ニコニコして。
いいことでもあったのか?
私はいいことどころか悪いことの方が多いけどな。
いいことといえばこの名を誉められたことぐらいだ)
面白い程気づいていない。
無自覚と天然ほど恐ろしく厄介なものはない。