誠-巡る時、幕末の鐘-



―――広間




「ただいま戻りました」




奏が広間の襖を開けると、もうみんな夕食を食べていた。




「おう、遅かったな!!」


「どこ行ってたんだ??飯無くなっちまうぞ〜」




藤堂と永倉がおかずの取り合いをしていた。


奏に気を取られているすきに、原田に取られている。




「すみません。……響、千早、少し席を外してくれる??」




一緒に食事を取っていた二人に申し訳なさそうに言った。




「はい。千早君、行くよ」


「うん」




二人は何か察したのか、すぐに広間から出ていった。


奏は近藤の前に来て正座した。




「みなさん、お話があります」


「どうしたんだ??」




奏の真剣な様子に、全員が箸をおいた。



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