誠-巡る時、幕末の鐘-



「甘味は私の元気の源なんです!!笑わないでくださいよ」




奏も恥ずかしそうに饅頭を二つに割った。




「はい、芹沢さんの分!!」




奏は片方を芹沢に渡した。




「俺はいい。お前が食べろ」


「私がせっかくあげるって言ってるんですから、滅多にないんですよ??」




奏に手を掴まれて、無理矢理渡された。




「いただきます!!ん〜、やっぱりおいしいですね、あそこの饅頭は!!」




芹沢もつられて一口食べてみた。




「あぁ、うまいな」




奏はニコリと笑った。


芹沢がゴロリと寝転がったので、奏も寝転がった。




「芹沢さん」


「ん??」


「私、みんなと会えて良かったですよ。もちろん芹沢さんとも」


「………そうか」




芹沢は淡く微笑した。



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