誠-巡る時、幕末の鐘-
「……ここにいるのは皆、近藤さんが信頼している者ばかりか?」
「あぁ、そうだ」
近藤はそう断言し、深く頷いた。
「ならば、しばし待て」
そう言い、星鈴は庭に出た。
「何してるの?」
不可解な行動に、沖田が響に尋ねた。
「分かりません。私も会ったばかりなので」
「会ったばかりって…いつのことだ?」
「昨日の夜です」
「昨日の夜って…一日も経ってねぇじゃねぇか!?」
原田が響の言葉に驚いて叫んだ。
無理もない。
星鈴が男装しているとはいえ、女だったから良かったものの。
他の男だったらどうなっていたことやら。
響も顔立ちが可愛らしい部類に入るのだ。
それは今朝の甘味処の一件で証明済みだ。