誠-巡る時、幕末の鐘-
「今夜はみんなで飲みに来たんです。みんなについてあげて欲しいな。駄目ですか??」
小首をコテンと傾げられては芸妓達もたまらない。
もうみんな奏に腰抜けだ。
「魔性の女だな、あいつは」
「魔性ですか」
土方と山南は馴染みの芸妓がいるので、それを面白そうに見ていた。
「山南はん、女って??」
山南の馴染みの明里が、不思議そうに奏を見た。
二人は顔を見合わせた。
「女はみんな魔性だろ??あそこにいる女達みんなさ」
土方がなんとか誤魔化した。
「……へぇ〜」
「土方はん、酷いわぁ。女がみんな魔性やなんて」
土方の方は大丈夫だったが、明里はまだ疑っているようだった。