誠-巡る時、幕末の鐘-
「近藤さん、悪いがこいつ止めてくれ」
土方がにっちもさっちもいかなくなったので、近藤の方を振り向いた。
「あっははは。奏君、ここは楽しい宴会の席だ。そういうのは屯所に戻ってからにしなさい」
「了解!!」
奏はビシッと気をつけをした後、響達の所に戻っていった。
土方が思わず何かを後頭部に投げ付けたくなる程鮮やかに。
「近藤、あいつは本当に面白いな」
芹沢が近藤に向かってそう言った。
「あぁ。見ていて楽しい」
「おい、雷焔!!」
芹沢が奏の名前を呼んだ。
「何でしょう??これから一君と飲み比べ対決をするんです」
「やめとけ。あいつはザルだ」
無謀な挑戦をする前に、と奏を止めた。