誠-巡る時、幕末の鐘-
葬儀
―――二日後
屯所で芹沢と平山の葬儀が、神式にのっとり盛大に行われた。
響はまだ沈んでいる。
引き止められた野口も同様に。
「奏お姉ちゃん、芹沢さん死んだの??」
栄太が涙をボロボロと流しながら聞いてくる。
今の状態の響には聞けない。
子供心にもそう感じたのだろう。
「うん。平山さんもね」
「また絵を書いてくれるって言ったのに??」
「………そっか。泣くな、栄太。男だろ??」
奏はもう涙は出ない。
あの日流しきってしまった。
「千早は泣いてないぞ??」
千早は泣くというよりも、キョロキョロと頭を動かしていた。
自分も生きてはいないから、別れだという思いはわかないのだろう。