誠-巡る時、幕末の鐘-
「奏お姉ちゃん、芹沢さんがいないよ。平山さんも」
「あぁ。もう会えないよ」
「僕はいるのに??」
千早はキョトンとしている。
まだぐずっている栄太を珠樹に預け、千早を抱っこした。
「芹沢さん達に連れていってもらえば良かったな」
「でも、僕、冥官嫌い」
「私も嫌いだ」
本当に嫌そうに言うので、思わず同調してしまった。
にしても千早は本当にどこかおかしい。
抱っこしてやはりそう思う。
霊にも気配はある。
それが全くないのだ。
奏の訝る様子に気づいたのか、千早が下ろすようにせがんだ。
「でももっと遊んで欲しかったな」
そう言うと、響の元に走っていった。