誠-巡る時、幕末の鐘-



―――広間




「おぉ〜!!奏君、やっと来たか!!」




手招く近藤の前に膝をついた。




「どうしたんです??近藤さん」


「実はな!!」




子供のように目を輝かせている。




そんなに嬉しかったか。


あれが。




「これを見てくれ!!今日からこの壬生浪士組は新撰組と名前を変えることになった!!」


「おぉ〜。……芹沢さん達には報告したんですか??」


「いや、まだだった!!いかん、急いでしてくる!!」




近藤は急いで外に出ていった。


壬生寺は目と鼻の先なので、すぐ戻ってくるだろう。




「どうしたんだ??お前の好きな名前だぜ??」




永倉が興味薄げな奏に尋ねた。




「別に。だってあれ、私が要求したんです」




ズズッとお茶を飲む奏。



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