誠-巡る時、幕末の鐘-
「……要求って誰に…??」
奏はスッと二通文を出した。
それはとっても見覚えがあるもので。
「し、将軍と天子様に何て要求したんだ!?」
「別に、軽く??」
奏はそう答えたが。
みんなは信じない。
奏がこう言う時は大抵……。
「あなた達に、今までの働きに見合った対価をよこせと要求しただけです」
名前だけなんて少なすぎますね、と奏は不満げだ。
「お前はーっ!!」
「少ないですよね??すみません、今から行ってもっと……」
奏が立ち上がりかけたので、みんなで押さえこんだ。
『違うわぁーっ!!!』
みんなの叫びが綺麗に重なった。
クスクスクス
みんな一つの方向を見た。
響が笑っている。
奏もみんなもそれを見て、幸せそうに笑った。