誠-巡る時、幕末の鐘-
天然の男はたちが悪い
―――数日後
屯所には、平穏…といってはおかしいが、少なくとも、奏の周りでは何事も起こらない日々が続いていた。
「星鈴〜〜〜」
ある一人の青年が顕れ、奏の昼寝を邪魔するまでは。
「うるさい。………ん??」
がバリ
奏は聞き慣れた、だがここで聞くはずのない声に急いで起き上がった。
「あぁ〜〜〜!!星鈴!!探したんですよ!!」
今にも泣き出さんばかりに飛び付いてきた青年をひっぺがしながら、奏は叫んだ。
「どうしてあんたがここにいるの!!?」
奏の怒号を聞きつけたみんなが何事かと思った瞬間。
「ぐはっ!!!」
青年が空から降ってきた。
正しくは投げ飛ばされてきた。