誠-巡る時、幕末の鐘-
「………で??どうしてここに運んだ??」
「いや、普通そうだろ!!?お前達だって自分の部下が困ってたら助けるよなぁ!!?」
鷹は後ろで見物している土方達に叫んだ。
かなり必死だ。
「あ、あぁ」
「部下ってより、仲間だしなぁ??」
「困った時はお互い様だ」
みんな口々に鷹を援護する。
「……ってそいつ奏の部下なのか??」
土方が青年を見て目を見張った。
どう考えても部下の方は性格良すぎるだろ、という考えがよぎったのは秘密だ。
青年はニコニコ笑って、土方達の方に身体を向けた。
「申し遅れました。第六課薬草管理担当のナルです。以後お見知りおきを」
「以後はないわっ!!」
「あいたっ!!」
奏とド突き漫才をしている。
薬草管理担当ということは、本当の奏直属の部下だ。
「痛いですよ。それより鷹さんを放してあげてください」
響と同じくらい心根が優しい青年のようだ。
なのにこの扱いの差はなんなのか。
天と地の差よりも差がある。