誠-巡る時、幕末の鐘-



「すいません。星鈴、今、頭に血が上っちゃってて」


「………」


「どうしてすぐ怒るんですかねぇ??」




鷹の紐をスルスルと解いてやりながら、ナルはそうこぼす。


鷹は何も言わない。


土方達も何も言わない。


奏が指をわしゃわしゃさせながら、後ろに迫っていることを。




「……どうしました??」


「お前のその口が原因じゃーっ!!」




どうして、第六課はこうも無自覚にずけずけと言う奴が多いのか。


課の長もそうだ。


だが……目の前のコイツの方が酷い!!




「……ったく!!探してやるから特徴言いなよ」


「ありがとうございます!!」




ナルは嬉しそうに笑った。


土方達も呆れたように二人を見ている。


結局は部下思いな奏は、嫌々ながらも手伝ってやるのだ。




「えっとですね。子供の格好をしていて、背はこれくらいで…」


『待て待て待て!!』




みんながナルの言葉につっこんだ。


覚えありありの、見たことありありの特徴だ。


だが、日にちが合わない。



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