誠-巡る時、幕末の鐘-
「いなくなったのは??」
みんなまさかまさかとナルの答えを待つ。
「えっと…三ヶ月前ですかね??」
『三ヶ月も放置しといて今さら!?』
「ナル、なんで三ヶ月も放置??」
「以前言っていたでしょう??自分の不始末は自分でつけろと」
奏の厳しい視線と声音ももろともせず、キョトンとしている。
奏は一瞬己の耳を疑った。
「……時と場合を考えろーっ!!」
再び奏の怒声が響いた。
「……すみませんでした。以後気をつけます」
ナルはその場に正座し、素直に謝った。
「……ったく!!お前もお前ですぐに連れてこいよな??」
奏は怒りの矛先を鷹に鞍替えした。
「さっきと言ってること真反対だな!?おい!!」
「星鈴、彼に八つ当たりをするのはいけませんよ??」
ナルが二人の間に立って鷹をかばった。
奏の肩が再びフルフルと震える。
ふっふっふっ、と低い笑い声が聞こえるのは気のせいだろうか。
いや、気のせいではない。
「お前がそれを言うか!!?」
何度目か分からない怒声が辺りにこだました。