誠-巡る時、幕末の鐘-
「今言うか??ここで言うか??あぁ??」
奏の口調が怖い。
そして、雰囲気が怖い。
表現の仕方を忘れる程だ。
「鷹、お前も戻るんだろ??」
「あ??あぁ。もう面倒おこされちゃたまんねぇからな」
「なら、翁にこう伝えろ。私はまだ当分もどるつもりはない、とな」
「………分かったよ」
鷹は目を細くした後、身を翻した。
「行くぞ!!」
「はい。あ、それとたまには帰ってきてくださいね。書類が机の上にたまってますから〜!!」
「また遊びにくるからな〜!!」
三人それぞれ言いたいことを言い逃げしていった。
「千早が神様だったなんてなぁ」
「びっくりだぜ!!」
「私は仕事でこっちに来ているにも関わらず机の上に書類がたまっているほうがびっくりだ」
奏はナルが消えた空の方を忌々しく見ていた。
「でもあいつ良い奴そうじゃん!!」
藤堂が奏の肩をポンポンと慰めるかのように叩いた。
「頭が痛くなる部下をもつと辛いな、土方さん」
「俺にしてみれば、お前と総司だけどな??」
土方の口元がひくひく動いていた。