誠-巡る時、幕末の鐘-
遠い昔、一人の幼い少女が、一人の少女の固く閉ざされた心を開いた。
「かなで、あなたにあたらしいなまえをあげるわ。
あなたはきょうから‘あまみや しんりん’よ!!
もうひとりぼっちじゃないわ!!
わたしたちのかぞくよ」
少女に淡い光が見えた。
それまで暗闇だった所に、この少女が光を与えてくれたのだ。
名前とは短い呪。
幼い少女がかけたこの優しい呪は、色々な者に呼ばれることで具現化された。
それから少女にとって、この幼い少女は絶対の主となった。
その幼い少女の名はリュミエール・ド・ローゼンクロイツ。
少女の名は雷焔奏。
二人の主従関係は、七千年経った今でも色褪せることなく。
奏にとって、‘天宮星鈴’の名は至宝の宝となり続けている。
全ては、昔、一人の幼子が言ってくれた言葉から。