誠-巡る時、幕末の鐘-
「人間相手でも悪人の場合はやむを得ず〜フンフ、フンフ、フン」
「いきなり元気になりやがったな」
「でも、もうすでに抜刀してなかったっけ?」
「ということは入隊できるということか!!? いやぁ、めでたいめでたい!!」
(いや、近藤さん。
それとこれとは話が別じゃあ。
それと、沖田…さんの発言は聞こえなかった)
奏は自分に都合が悪いことは聞こえなかったことにしている。
さん付けになったのは、実際の年齢はどうあれ、見た目は彼らの方が年上だからだ。
「……仕事内容でさえ知らないのに」
「不逞浪士の取り締まり…ですか?」
(……響、知ってんの!?)
「以前、父が教えてくれました。京には壬生浪士組という人斬り集団がいて…鬼と呼ばれていると」
(………鬼…か)
「……君…」
(おいおい、沖田さん。
女の子相手に刀に手をかけない!!!)